正直、いまの音楽業界の流れというか、何がいい音楽なのかそうでないかというのが、もうよくわからなくなっている自分がいます。一応、新作と呼ばれるものをチェックしたりはしますが、なかなか興味が持てないというか、ちょっと時間を置いたりしないとなじまなかったりということが当たり前のように起きています。歳をとったなあと感じます。
たとえば、ビヨンセの新作。レビューしようかとも思いましたが(2500円もしたし)、あることでわたしは躓きました。ビジュアルアルバムということで1時間の映像がセットなのですが、はっきり言うと通して観るのがツライ。いまだに最後まで行けてません。アルバム自体は聞きましたけどね。でも、あれ観ないとさすがにレビューできないでしょう。それに、歌詞や映像に込められた意味とか、ちょっと読み解く体力がない。
ドレイクの新作も購入してみました。尺が長すぎるw 物量といえばスヌープやエミネムも毎回すごいけど(というか、ひと昔のヒップホップ作品ってやたら詰め込む傾向あったよね)、ちょっとセールスダウンした『Nothing Was the Same』が1時間弱のコンパクト作だったことを反省したのか、大量に曲を入れ込んで来て、驚きでした。ファンはうれしいのかもしれず、確かに粒ぞろいの楽曲群だということもわかるけど、正直これには浸れないかなあと。
ということで、じゃあ何を聞いてレビューすればいい?と考えていたときに現れたアリアナちゃんの新作! 過去2作レビューしてるし、アルバム自体コンパクトじゃありませんか。難しいことは考えなくてよさそうだw よし何か書いてみようというわけですな。
とは言いつつ、彼女もまた難しい選択に迫られているのではないか、とそんな気がします。というのも、結局、アリアナ・グランデの魅力というか、これが売りだよみたいなのって、歌がうまいのとキュートなの以外にあまり思い浮かばないのですよね。まあ、その二つで十分という話もありますが、どういう音楽キャリアを築き上げればよいのかについて、きっとまだ方向性が定まらないというか試行錯誤の状態が続いているのではないかと勝手に推測しています。
そういえば、「Focus」というシングルがありました。ニュー・アルバムからのリード・トラックという触れ込みで、そこそこチャートヒットもしましたが、結局、正規のトラックリストからは漏れてしまいました(国内盤はボートラで聞けます)。それに、アルバムのタイトルも当初『Moonlight』という当たり障りのないものだったのが、気づけば『Dangerous Woman』へと変更。公表されたジャケ写もウサ耳コスプレの怪しいものへ。明らかに路線変更というか、より攻めた内容へ行こうとしているのがよくわかります。リード・トラックの反響がイマイチだったことから、売り出し方を再度検討したのかもしれません。
ということで、日本でのプロモーションも盛んなアリアナちゃん(実は気がかりな動きだったりしますが)、渾身の3枚目がリリースされました。たぶん、過去作ほど売れないと思うけど、チェックしておく意味は十分にあるでしょう。
さっそく、行ってみたいと思います。