彼女がデビューしたのが1994年。まだ15歳の時だったのよ。当時はアッシャーとかモニカとかアリーヤとか、ティーンネイジャーがいきなりスターダムに伸し上がるという現象がアメリカでもあって、もちろん実力があるからなせることだと思うのだけど、それからフェイドアウトすることなく(って一度しかけたけどw)、こうしていまでも意欲的な新作を出してくれるのは、ファンとしてはとても嬉しい限り。
ただ、アメリカの音楽業界のシビアなところだけど、デビューして18年経ったのに、やっとアルバム6枚なわけです。前作『Human』から数えてももう4年も経っている。前作が商業的に振るわなかったことも影響しているけど、どんだけ待たせるのよ、と誰もが思うところでしょう。モチベーションの問題もあるだろうけど、アメリカでコンスタントに新作をリリースするということがいかに大変かということがわかりますよね(だからリアーナって化け物って話しになるのだけど・・・)。
さて、本題に戻りまして、まずこのジャケ写ですよ。相変わらずスタイル抜群だし顔も凛々しい。この写真からも彼女の自信のほどが伺えると思いませんか? もう半年以上過ぎているのに『Two Eleven』という日付のタイトルをリリースするあたりもね(もちろん、彼女が敬愛するホイットニーの命日とか、きちんと意味があるのだけど)。
そして、肝心の内容ですが・・・批評家やファンが賞賛するのもわかる、R&Bファンにとっては納得の仕上がり。何がよいって、時流に乗ることなく、本人が言う「原点回帰」的なサウンドでまとめてきていること。派手さはないし、美メロかと言われたらそうでもないw だけど、ヒップホップ的な遊びのセンスとか、おそらくショーン・ギャレットやバングラディッシュが仕掛けているであろう、ミニマルな声サンプルのループによるストリート的な感覚とか、ブランディのクールなヴォーカルと相性のよいトラックを採用することで、彼女の魅力が最大限に引き出されているのが聴いていてわかります。
もちろん、前作が実は大好きだったわたしとしては、もうちょっとポップさやメロウさがあってもいいかなと思ったりするのだけど、そういう方向に流されなかったから作品の評価が高いだろうなと。もちろん、今作も好きですよ。
リード曲の「Put It Down (feat. Chris Brown)」は一瞬だけどR&B/HIP-HOPチャートで3位まで上昇しましたね(その翌週のチャート仕様変更ですぐにTOP10から落ちたのは残念だったけど)。ブランディの低音が冴え渡るクールな一曲でした。クリス・ブラウンをラッパー的に起用したのも功を奏しましたね。
そして、ここで取り上げておきたいのは、セカンド・シングルの「Wildest Dream」。これ、地味すぎるでしょw だけど、じわじわ効いてくる、中毒性の高い曲。ヒットする見込みないけど、こんな曲をシングル・カットしてくるんだから、どんだけ挑戦的なんだよと思いますね。
チャート的には総合3位に食い込んだ今作だけど、そういうセールスとか関係なく、R&Bファンの人(特に最近のEDM化に食傷気味の人)にはぜひとも聴いて欲しい一枚だなと思います。
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