マライア・キャリーの通算14枚目となるアルバムです。何というか、これだけのスーパースターなのだから、毎回作品が話題になるのは当然なのではありますが、今回もなかなかに考えさせられる内容でして、レビューするのも大変だなあと思ってしまいました。「なんて素晴らしいの!」と素直に言えればいいんだけど、そうもいかないようでして(汗)
まず、事実から言いましょう。セールス面ではマライア史上もっとも売れていないアルバムということになります。全米初登場3位でしたが、5万8000枚という数字は彼女にとってもっとも低いセールスであり、そして、今後ロングヒットで持ち直すかどうかどうかと言われたら微妙と言わざるを得ない。とにかく、売れていない!
まあ、過去にも何度かコケたことはあるわけで、コケてもタダでは起きない彼女だと信じたいのだけど、しかし、今回のコケっぷりは、ちょっと深刻なのではないかと思ってしまいます。
このセールス不信の背景を探ってみましょう。一つにヒットシングルに恵まれず、アルバムのリリース日を何度も延期したという経緯があります。かろうじて昨年出したミゲルとのコラボシングル「#Beautiful」はヒットしたものの、そのタイミングでうまくアルバムをリリースできず、その後に出したシングルも軒並みコケたこともあり、今回のアルバムリリースはもう「これ以上シングルヒットを待っても仕方ない」という諦めのようなものすら感じさせるものでした。そういえば、タイトルも当初は『The Art of Letting Go』でしたからね。レコード会社の思惑もあったとは思いますが、リスナーからしたら自信のなさの表れと取られても仕方のない対応だったような気がします。
それ以前に、彼女のアーティストとしての旬が過ぎてしまったという見方もできるかとは思いますが、マライア・キャリーの代わりなどいるはずもなく、期待の値がそれほど下がったとは考えにくいことです。まあ、前作の『Memoirs of an Imperfect Angel』も大してヒットしなかったわけだから、セールス的な面ではすでに落ち着いて来ていたと言えるかもしれませんが。
わたしがイケ好かないなあと思ったことを言います。それはこのアルバムタイトルと、ジャケ写です。まず、この長ったらしいタイトルは、彼女の煮え切らぬスタンスを表しているようで、どうにも好きになれません。過去にも自分の名前を冠したアルバムをリリースしたことがありますが、いまさら自己紹介してどうするよ!っていうツッコミを入れたくなります。まあ、それが「elusive」(つかみどころのない)の意味するところかもしれないけど。
そして、ジャケ写です。スタンダード盤では相変わらずボディコンシャスな格好なマライア様なのですが、どうみても修正してるでしょ、っていうね。マライアのFacebook見てると、いろいろな写真流れてくるけど、比べるにこんなに体型細くないのはまるわかりなわけで・・・
こういう言い方したらアレですけど、やっぱりマライアの現在形っていうのを見たいわけですよ。でも、アートワーク一つとっても、どうにも後ろ向きな気がしてしまうんですよねえ。過去の栄光を再び、みたいなね。でも、もうそういうことしている時点でアウトじゃないですか。新しいリスナーを開拓しようという意欲がないんだったら、そりゃそういうところに落ち着くだろうっていうね。
さて、いろいろと書きましたが、肝心なのは何はともあれ音なわけですよ。そして、この部分こそがなんとも悩ましいのですね(笑)
まあ、ウダウダ言っててもしょうがないので、中身にうつっていくことにしますね。今作も全曲マライアがプロデュースに関わっています。