クリセット・ミッシェルの3枚目となるアルバム。サーカスをイメージしたようなアルバムのジャケ写も印象的で、エネルギッシュで弾けたクリちゃんがアピールされています。
何が本来的な彼女の姿なのかわかりませんが、サーカスのピエロのごとく、ある種の仮構されたイメージが先行した作品かもしれません。ポップでパワフルでエネルギッシュ。過去作に比べて、弾けていてそれはいいと思うんですよね。ただ、彼女のような「声でそれとわかる」ほどの素晴らしいヴォーカリストが目指すべき方向としてこれで良かったのか、という疑念が出ても仕方ないかもしれません。ことばで表現するのは難しいけど、デビュー作で感じられたような「艶」みたいなものは、この作品では希薄になったような気はします。それが好きな人には今作は不満かもしれないですね。
断っておきますが、わたしはこのアルバム、とても気に入っているのです。過去作に比べて批評家の評価がいまいちなのがむしろ気に入らないぐらいなのですが(笑)、それでも、いまや、彼女にとって最高傑作になるであろう『Better』を前にして、そうした控えめな評価を下さざるを得ないのかもしれませんね。
今作では、全曲をチャック・ハーモニーのプロデュースに委ねるという、R&Bでは珍しい(自作自演系は除く)試みをしています。それが功を奏したのかどうかと言われると、何とも評価しがたいものがありますが、相性は決して悪くないでしょう。ハーモニーが一人でここまで多彩なサウンドを作り出せたというのにも驚きですし。でも、メリハリつけるためには、もう少し違う視点があった方がよかったかもしれないですね。
簡単に中身に移りましょう。