2013年4月3日水曜日

Chris Brown『F.A.M.E』(2011年)

あ、もう4月だ(^_^;) 更新ペースがどんどん落ちてるぞw

今回は再びクリス・ブラウン。

先月クリス・ブラウンを取り上げようと思った理由はもうよく覚えていないのだけど、せっかくなのでもう1枚ぐらい紹介しようかと・・・深い意味はありませんw

改めて見ると、このジャケ写、なんかイカツイですね。なんでしょう、この感じは。グラフィティ・アートっぽいけど、まあ、ストリート感をアピールしたんでしょうかね。

彼のキャリアを振り返ると、リアーナとの一件があって、3rdアルバムの『Graffiti』が見事にコケてしまったわけだけど(内容は充実してたはずなのに、評価が散々だったのはわかりやすくて笑えますね)、そこからミックステープを発表するなどして、再度自らの実力と存在感をアピール、その中から生まれた大ヒット曲「Deuces」が、復活への踏み台となりましたね。

すでにメジャーで活躍していて、しかもR&Bシンガーである彼がミックステープで勝負するというのはなかなか挑戦的なことだと思うのだけど、そこを臆せずにしたのが若さだなあと感心します。また、ミクステの流儀に則り見事なラップも披露して、ストリートへのアピールをしっかりできたのも大きいかったのかもしれません。

とにかく、いろいろなチャンスをものにして、見事なカムバックを果たしたクリス・ブラウン。そのことを象徴するかのように、このアルバムは彼に初めての全米1位の栄誉をもたらすことになりました。


ということで、さっそく内容に移りましょう。


(1)Deuces feat. Tyga & Kevin McCall
もともとラッパーのタイガとのコラボ的なミックステープの『Fan of A Fan』に収録されていた曲で、タイガに加えケヴィン・マッコールがプロデュースとラップで参加した、ダウンテンポのR&B曲。地味と言えば地味なんだけど、ラップを交えてストリート感をアップしたことで、大衆性を増してヒットに繋がったといえるかもしれませんね。R&B/Hip-Hopチャートで9週連続1位の大ヒットを記録しています。アルバムの冒頭を飾る曲としてふさわしいと言えますね。



(2)Up To You
お馴染みのアンダードッグスがプロデュースした、こちらもミッドテンポのR&Bバラード。敢えて地味な曲で流れをつなげてきたって感じですね。

(3)No BS feat. Kevin McCall
(1)同様にミックステープに収録されていた一曲で、ザ・ビズネスが制作、ケヴィン・マッコールが今後は歌で参加しています。はじめにミックステープを聴いたときは、この曲の方が印象深かったので流れ的にヒットするかなと思っていましたが、こちらはR&B/Hip-Hopチャートで3位まで上昇しました。



(4)Look At Me Now feat. Lil Wayne & Busta Rhymes 
ここに来て変化球。アルバム序盤のハイライト的な一曲。ディプロとアフロジャックがタッグを組み、非常にミニマルなビートを提供(基本的にはベース音と浮遊感のあるシンセフレーズの反復)。クリス・ブラウンが見事なラップを披露するとともに、客演のバスタ・ライムスが怪演と呼ぶにふさわしい鮮やかな早口ラップで強烈なインパクトを与え、それに引きずられるかのようにリル・ウェインも普段あまりしないであろう早口ラップで援護・・・と素晴らしいマイクリレー。ここまで強烈なヒップ・ホップ曲もそうないというぐらいに、癖になる一曲になっています。




(5)She Ain't You
やっとクリス・ブラウンっぽいアップテンポな一曲w マイケル・ジャクソンの「Human Nature」およびSWV「Right Here」を引用した、ヒップホップ・ソウル的なアプローチで、ちょっと甘酸っぱい雰囲気を醸し出しているのが良いですね。アルバムからの4枚目のシングルで、R&B/Hip-Hopチャートで5位を記録しています。



(6)Say It With Me
こちらもミディアム・テンポの軽快な一曲で、ダークな質感を保ちつつも、攻めの姿勢を感じられる曲。セヴンの女性コーラスも印象的。

(7)Yeah 3x
陽性のEDMナンバー。ココに来て一気にハジけた曲調に様変わり。彼がこういう曲調をやっても全く不思議ではないと思うのだけど、隠しネタ的に7曲目に配置するあたり、演出が秀逸だなあと感じますね。



(8)Next to You feat. Justin Bieber
彼と同じく10代にしてスターダムにのし上がったジャスティン・ビーバーを迎えたポップ・デュエット曲。シングルカットもされていますが、正直つまらないなあと。あんまり好きじゃないです・・・



(9)All Back
ギターの音が印象的なロック要素も加わったスロウ・バラード。ティモシー・ブルームという人がソングライティングとプロデュースを1人でこなしています。

(10)Wet the Bed feat. Ludacris
タイトル通りのセクシーなスロウ。リュダクリスを客演として迎え、メリハリをつけた展開になっています。シングル・カットされ、R&B/Hip-Hopチャートで6位まで上昇しています。

(11)Oh My Love
個人的にかなりお気に入りなんだけど、サウンドとしては反則技の組み合わせって感じでしょうかねw のっけからティンバランド的なチキチキビートから始まったかと思えば、サビでは青春炸裂なメロウなメロディーとアップビートで攻める強烈なダンスナンバー。アダルト路線も悪くないけどこういう勢いのあるのがやっぱりいいなあと思ってしまいます。

(12)Should've Kissed You
ミディアム・テンポのR&Bナンバーで、ちょっと一息的な感じでしょうかね。可も不可もなく、さわやかな展開と言えるでしょう。

(13)Beautiful People feat. Benny Benassi
イタリア人DJのベニー・ベナッシがプロデュースしたエレクトロ・ハウス系のダンスナンバー。(7)に比して、クラブ・サウンド的な要素が強い感じがしますね。アルバムの〆がこれというのが、何とも彼らしいです。




デラックスではこれに4曲追加。ティンバランドのプロデュース曲などあり、こちらも注目ではありますがここでは割愛します。


大量のシングルをヒットチャートに送り込んだのが象徴的ですが、美しいR&Bバラードからゴリゴリのヒップホップ、そして現代的なエレクトロ・ダンスナンバーまで、さまざまなアプローチで楽しませてくれるこのアルバムは、彼の勢いがそのままパッケージングされたような、そんな一枚になっていますね。傑作と言っていいと思います。



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