2013年1月9日水曜日

Fantasia『Back to Me』(2010)

新年一発目は、年始に中古で入手したファンテイジアの3枚目のアルバムを取り上げたいと思います。

初代アメリカン・アイドルのウィナーとして華々しくデビューした彼女。その後のアメアイの展開はともかく、初代女王としてこんなソウルフルなヴォーカリストが勝ち上がることで、従来的なアイドル像をいきなり覆してくれたのは向こうの音楽業界にとっても大きな風になったのではないかと思いますね。

16歳で妊娠・出産を経験したという過去を持つ彼女、デビュー後にも不倫関係やらオーバードーズやらヤサグレ道を地で行くようなプライベートが話題になったけど、まだ28歳なんですよね。まだまだこれからの人だと思います。

そんな彼女ですが、3月に『The Side Effect of You』というニュー・アルバムをリリースするようです。そこからのリード曲「Lose To Win」もすでに公開されています。

さて、アルバムに話を進めましょう。全米チャートでは最高2位を記録、これは彼女のアルバムとしては最高位となります。もちろん大ヒットシングル「I Believe」を含むデビュー・アルバムの方がセールス的には大きいわけだけど、むしろ3枚目の落ち着いてきた時期に改めて存在感を示せたことの方が意義があるのではないかと思います。1人のアーティストとして支持されている証拠ですね。グラミー賞にもしっかりノミネートされていました。

内容に移ります。これが期待を裏切らない素晴らしい出来なんですよね。現代的なR&Bもあれば、オールドマナーなスウィート・ソウルもあったりして、聴いているだけで甘酸っぱい気持ちになれちゃいますw さっそく何曲かピックアップしてコメントしておきましょう。



(1)I'm Doing Me
アルバムの幕開けは、弾けるようなピアノが印象的なミッドテンポのR&Bナンバー。他の誰でもなく自分の人生を生きていることを、力強く歌い上げていますね。R&Bチャートで11位を記録しています。

(2)Bittersweet
タイトルどおり聴いているだけでほろ苦くも甘い気持ちにさせてくれる一曲。リードシングルとして発表され、R&Bチャート7位まで上昇、グラミー賞も獲得しています。サビのメロディーラインがグッと胸を締め付けられるような展開ですよね。


(3)Man of The House
一転して、シンセ音が強気なイマドキの一曲。フックで合いの手に入る「ヘイ」って声がクセになりますw 

(5)Collard Greens and Cornbread
これまた力強くもウットリするようなスウィート・ソウル。こういう曲調は彼女の歌声にもマッチしていいと思います。


(9)The Thrill Is Gone feat. Cee-Lo Green
アルバム中唯一のゲストであるシーロー・グリーンを迎えた曲。てっきり、二人で濃厚デュエットを繰り広げるかと思いきや、シーローはラップでの参加でした。これはちょっと残念。


全12曲収録。全体を通じていわゆる「美メロ」なナンバーがたくさん詰まった良質なR&Bアルバムだと思いました。新作も楽しみですね。



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