2012年12月7日金曜日

浜崎あゆみ『SEASONS』(2000年)

先日、FNS歌謡祭という番組を少し見ていたのですが、新旧織り交ぜて豪華アーティストがひたすらコラボしまくるという作りがおもしろくて、さすがに4時間30分も観てられなかったけど、けっこう観てしまいました。紅白に出ないような人たち(ミスチルとか)も普通に出て歌っていたし、怒涛の12曲メドレーとかあって、立て続けにヒット曲を披露してくれるから飽きないっていうのもポイントでしたね。宮本笑里や押尾コータローといった知名度のあるインストミュージシャンの使い回し方に苦笑したりもしたけど、氷川きよしがガチでポップス歌ったり、槇原敬之がザイルさんとコラボったり、平井堅の左肩に謎の鳥が乗ってたりと、(ヲキャマ目線でも)いろいろと見所満載な番組だったと思います。生放送であれだけ短期間にセットも転換しつつ次から次へと曲披露いうのは、事前に相当リハーサルを積み重ねたのでしょうね。

さてさて、この番組でわたし的に一番ゾクゾクしたことと言えば、華原朋美が意外とまともにあの曲を歌いあげてきたことではなく、浜崎あゆみがどうしちゃったのよと心配したくなるほどの劣化した歌声で「SEASONS」を披露したことでした。番組の終盤に起きたこれぞアクシデントとでも言っていいような場面です(→映像 ※削除される可能性あり)。

ああ、やっちゃってるなあと。見事に外しちゃってるなあと。最近新たな熱愛騒動で注目のあゆだけど、本業でこれは辛いなあと。ああそういえば難聴とかあったけど、それ関係あるの? いや、そういう問題ではないでしょう・・・とか、まあいろいろな感想が浮かびますね。10年以上前の曲だから、その当時と全く同じように歌う必要はないのだけど(実際数年前のライブ映像を観ると、よりあゆっぽいクセのある歌い方にすでになっている)、そういう表現の違いというより、今回の映像を見る限り、そういう歌い方しかすでにできなくなっているっていうことなのかなあと。とにかく、コンディション悪すぎ。

でもね、わたしこの劣化した歌唱を聴いて、思わずオリジナルの音源を聞き直してしまったんですよね。SEASONSってこんな曲じゃないよなあって。そして、オリジナルを聴いてやっぱり名曲やなあと思い返すわけです。で、この時に、「あ、この人転んでもタダでは起きないんだ」って思ったんですよね。まだ、浜崎あゆみに対するある種の幻想みたいなものがわたしの中に残っているのだと。

ということで、せっかくなので、この「SEASONS」についてレビューしてみたいと思います。

この曲は、2000年6月7日に発売された16枚目のシングル。月9主題歌に起用され、「vogue」「Far away」に続く「絶望三部作」の最終章としても位置づけられていますね。諸行無常な感覚が、この3曲に共通して見られるテーマと言えると思います。歌詞を読んでも、ただうつりゆくのを眺めているような、達観した心境が表されているのがわかりますね。


さて、当時の浜崎あゆみのシングルと言えば、山盛りとも言えるリミックスを収録していることが特徴でした。このシングルにもアコースティック版に加え、同曲のリミックスが6曲収録されています。これがね、改めて聴いてみたのだけど、結構楽しいのですw どれもいかにもなクラブサウンドに仕上がってるんだけど、CMで使われたアップテンポなリミックスもあれば、浜崎あゆみの数々のリミックスを手がけてきた影の功労者"Dub Master X"こと宮崎泉によるレイドバックしたレゲエ風味のバージョンありと、さまざまなアレンジで楽しませてくれます。そして、なんだかんだ言ってオリジナルが良いよねえと思わせてくれるのです(ココ大事!)。

リミックスの愉楽というものを大衆にわかりやすく知らしめたのは、浜崎あゆみの功績の一つでありました(もちろん、これはavex自体の意向が大きいのだけど)。でも、原曲がよくないとリミックスなんてやっぱりおもしろくないわけで、その意味でこのパッケージはこの曲を味わい尽くすには見事な商品になっていると思います。

ちなみに、ブックオフに行けばいまでも簡単にこのCD手に入るので、この時代のあゆを知らないという人はぜひ!

あ、思わずJ-POP批評しちゃったわw

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