2013年7月12日金曜日

Chrisette Michele『Better』(2013)

ここ最近話題作のリリースが続いておりますが、なかなか記事にする暇がありません(^_^;) 先月からこのアルバムについては書こうと思っていたのだけど、いまになってやっと手をつけることができたって感じですね・・・他にも書きたいやつ溜まってるんだけど。

まあ、でも正直言うと、クリちゃんのこの新作について、どうなんだろうという思いがあって、それほど筆が進まなかったのも事実。実際に何度か聞いていると、素晴らしいなあと思う反面、何か物足りないなあと思う部分もあったりして、ちょっと評価が揺らいでしまったんですよね。そこはうまく言語化しづらいのだけど、ワインのごとく、少し寝かせてから味わったほうがより良さがわかるのかなあと。

とにかく、待望の新作であるのは確かなので、クリちゃんのこの4作目についてレビューすることにします。

まず、ヴィジュアルですが、ベリーショート(モヒカン?)ですw 体型的には絞られた感じなんですけど、この見た目のインパクトが何を意味しているのか・・・。あまり深く考えても仕方ないかもしれないけど、触れないわけにもいかないという(汗)

このアルバムの発売に先駆けて(と言っても去年だけど)、『Audrey Hepburn: An Audiovisual Presentation』というミックステープのリリースがありました(すっかり忘れてたけどw)。ストリート寄りな作風だったこのミクステですが、ここから今作へは4曲が採用されており、関連性が強いのでまずは一聴されることをオススメします。


チャート的なことを言うと、本作は全米初登場12位を記録しています。前作が25位どまりだったから、上がっているといえばそうなんだけど、セールスとしてはダウンしており、特に話題になることもなくそのまま終わりそうな気配です。ちょっと残念ですね。シングルチャートでインパクトを残せなかったのが大きいのかなあと思います。

制作陣は前作と違い複数のプロデューサーが参加しており、その分サウンドとして幅が出たかなという感じはします。ミクステにあったようなアップもあれば、ウットリするようなバラードもあり。デラックスにのみ収録ですが、ミュージック・ソウルチャイルドとのコラボレーションがあるのも注目点かもしれません。


それでは、内容に移ることにしましょう。


(1)Be In Love
3分弱の強烈なアップビート。シア・テイラーがプロデュースした、ガッツリと攻めるクリちゃんの歌唱にやられます。つかみはOKって感じですね。

(2)A Couple of Forever
アルバムからのセカンド・シングル。これにはやられました。聴いていて本当に心地よい、ウットリするようなスロウ・ラブ・バラードです。こういうの彼女の真骨頂だと思うんですけど、みなさんいかがでしょうかね。


(3)Let Me In
再度アップテンポなテンポで攻める一曲。軽快なピアノの音も印象的ですが、ズッシリとヘヴィーな感じではなく、サクッとしているので聴きやすいですね。

(4)Rich Hipster feat. Wale
ミクステにも収録されていた曲で、ラッパーのワーレイが参加しています。リック・ロスとはいろいろあったはずだけど、同じくメイバック・ミュージックの彼を起用したのは何か理由があるのでしょうかね。こちらは、朝に聞きたくなるような、陽光の似合う都会的なサウンドで、トランペットの音がいいアクセントになっていますね。


(5)Love Won't Leave Me Out
こちらはややテンポダウンして、ミディアムテンポのR&Bナンバー。サウンド的には可もなく不可もなく・・・という感じでしょうか。あくまで歌唱で勝負ですね。

(7)Better
チャック・ハーモニーのプロデュース曲。今回はこの一曲だけですが、琴の音をさりげなく取り入れたりして、彼女のヴォーカルを引き立てるサウンドが展開しているのはさすがですね。


(8)Snow
(5)と同じく可もなく不可もなくという印象のサウンドです。

(9)Visual Love
ミディアム・テンポの一曲で、けっこう攻めてるなあという印象なんだけど、この曲におけるようなしゃくり上げ歌唱はクリちゃんらしくていいですね。

(10)Charades feat. 2 Chainz
ミクステにも収録されていたアルバムからのリード曲で、2チェインズを客演に迎えた、クールなナンバー。よく聴くとヴォーカルも少し加工されいますね。ここ最近のアンビエントなR&Bをちょっとイメージした感じでしょうか。2チェインズはいらないと思うんだけどなw


(12)You Mean That Much To Me
これまた壮大なバラード。強弱メリハリのついた歌唱と、時折挿入されるエレキギターが印象的です。

(13)Supa
またエレキギターの音が! エレギ好きですね~w 音数少な目のバラード。でも、もっと引き算してもよかったのではないか、って気がします。

(15)Get Through The Night
アコギとストリングスの音が際立った、アコースティックなバラード。クリちゃんのヴォーカルも力の抜けた感じですいいですね。

(16)Can The Cool Be Loved feat. Bilal & Dunson
ビラルとダンソンが参加した、ミクステにも収録されていたヒップホップ色の強いアップテンポな一曲。ビラルがそんなに全面的に出た感じではなくコーラス的な起用で、贅沢な使い方やなあと思ったのだけど、通常版はこの曲で終わりなんですよね・・・けっこう不思議な感じがします。



インタールードを含め、全16曲収録。デラックスだと20曲の大ヴォリュームになります。評価が揺らいだ理由というのを改めて考えてみると、なんか中途半端だなあという曲が何曲かあったのと、あとは歌唱はともかくメロディー的にイマイチやなあという曲もあったのが大きいかなあ。美メロを求めているというわけではないけど、そういう意味での聴きやすさというのが少し足りなかったかもしれないなと。(2)みたいな素晴らしいナンバーも一方ではあったのだけどね。

でも、本作はクリちゃんらしい、素晴らしい作品には違いないわけで、一皮剥けた彼女を楽しめる傑作だと思いますよ。



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